原木山妙行寺は、円増院日進上人が日蓮宗布教のため、天文7年(1538)7月この地に開創した寺院です。当時、原木村は戸数40余戸という小村だったので、日進上人はたちまち村民すべてを信徒にし、さらに周辺諸村に教化を広め、妙行寺の基礎を確立していきました。本寺の宝物の一つに、日法上人作「日蓮大菩薩板御影」があります。(中略)寛政3年(1791)8月、江戸の深川から行徳、船橋にかけて襲来した大津波は、特に原木村に大きな被害をもたらしました。妙行寺の堂宇は流失し、25世日光上人は津波のため溺死する有様でした。村民の被害について伊能忠敬の測量日記には「此村先年津波にて、家流崩数合当数58軒、溺死村方113人、外より入込人40人」とあり、被害の大きさを物語っています。  以下略   昭和55年3月  市川市教育委員会
妙行寺 原木 成田街道(行徳道)