意富比神社境内にあるこの灯明台は、古くから海上で生活をたてていた人々の神社信仰と航海の安全のため浄財を集めて建設されたという。明治13年10月から明治28年10月までの15年間にわたって点灯され、当時としては最も優れた私設灯明台の一つであった。建築は木造3階建てで高さは12m、1、2階は日本の城郭風の建て方、三階光源用の塔は、近代的六角形の洋式で和洋折衷形である。また、建物内に管理人を宿泊させる宿舎があるのも珍しい。光源は8分(約2.5cm)の太いしんを使った石油ランプ3個を反射鏡で反射させたもので、6マイル(約10きm)先までとどいたという。明治につくられた木造の灯明台では規模も大きく、東京湾最古のものでもあり貴重な文化財である。   昭和57年3月4日   千葉県教育委員会
 灯明台 意富比神社 船橋