富士浅間神社・深谷城外濠跡 本住町 深谷市 埼玉県
深谷城は、唐沢川、福川などに囲まれた低湿地に築かれた平城である。室町時代中期の康正2年(1456)、深谷上杉房憲が、古河公方の侵攻に備えて、築城したと伝えられる。土塁や深い濠を巡らした城は、面積約20ヘクタール、その形から木瓜城とも呼ぱれた。天正18年(1590)、豊臣秀吉の関東攻めによって開城するまで、憲清、憲賢、憲盛、氏憲と、134年間にわたり、戦国時代の北武蔵における上杉方の支城であった。 徳川家康の関東入国後は、徳川一族や譜代家臣の居城であったが、寛永11年(1634)、廃城となった。 現在は、深谷上杉氏の祈願社であった富士浅間神社(智形神社)の社殿を巡る池と水路に、往時の姿をとどめるのみである。