賽の神の道標・権八地蔵 久下 熊谷市 埼玉県
「右 熊谷道 左 松山道」と示されている、この道標は、公園より南に位置していた旧中仙道と、久下の渡しへの行路の分岐点に立っていたと考えられます。道標の役割と併せて、「塞ノ神(さいのかみ)」(道祖神)が奉られており、基礎石には猿が彫られています。 その後、昭和30年代後半の荒川土手の改良工事に伴い、現在の久下権八公園が造成された際に、公園へ運ばれたと言われています。平成23年1月、地元住民と熊谷市教育委員会との協力で地中に埋もれかかっていた道標を掘り上げ、現在の場所に再設置しました。中仙道を多くの人々が歩いて行き来していた時代、この道標は人々にとっての大切な目印となっていたことでしょう。 平成24年1月  熊谷市立江南文化財センター