三学院梵字馬頭観音塔 北町3丁目 蕨市 埼玉県
蕨市指定文化財 三学院梵字馬頭観音塔
この石塔は、塔身正面に、梵字馬頭観音「ナム・カャクリーバ」(南無・馬頭観世音)を、筆太に陰刻し、左右側面、背面に刻銘を有する。基礎正面を小判形に彫りくぼめて、馬の全形を斜めから生きいきと表現され、彫技の冴えを示している。銘文から、江戸時代後期、寛政12年(1800)2月に「小宮忠次郎、徳丸馬右ヱ門」両氏が世話人となって、蕨宿の馬持講中によって、宿場の安全息災を析って造立されたものであろう。また、三学院が、地域札所足立板東20番であることをこの石塔は示している。石塔本尊の馬頭観音を梵字で表現しており、例の少ない貴重な石造物である。昭和62年3月 蕨市教育委員会