河原不動尊 一之宮 寒川町 高座郡 神奈川県
本尊は、不動明王坐像と二体の眷属(お供の仏像)からなる不動三尊像です。不動明王坐像は江戸時代初期の作とみられ、宝暦3年(1753)に江戸芝ロ(東京港区)の初音屋平吉が修理した。との「胎内納入名札」に記されています。この坐像と眷属一体の制吃迦童子像は、共に寄木作りの非常に上手な技巧による佳作と評されています。 お堂の前にある力石や道標も江戸の人達が、230年頃前に奉納したものです。このようにこの不動尊は、江戸とのつながりが深く、江戸時代には観光ルートとしても著名であった。目の前の大山道を、多くの道者達が往来し、大山参詣が栄えた様子を物語る史跡といえましょう。 「新編相模国風土記稿」にこの不動尊について、「村民持ち大山道にあり」と記され、村人達が安寧を願い、寄り合い所とLて長い年月にわたり大事に守り続けて来たことがうかがえます。また同稿には「田村(相模川対岸の現平塚市田村)にあり(旧一之宮村の)現在地に移された」とも記されていますが、詳細は定かではありません。 平成19年12月  (一之宮河原地区住民による)   不動尊維持管理会