大徳は、水戸街道(通称中城通り)そいに天明5年(1758)に創業された呉服の老舗です。大徳の蔵造りには天保13年(1842)建築の元蔵をはじめ、江戸時代末期に建築された見世蔵(一部明治期に増築)、袖蔵及び向蔵の4棟があります。大徳の町家造りは、店前に約90cm前後の下屋庇(げやひさし)を設け、前面には格子戸を入れ、約90cm下がって揚げ戸をたてる造りとなっています。この下屋庇の部分は、半戸外的な空間が保たれ、これは江戸時代の町家造りの特徴です。見所として、まず、見世蔵と袖蔵の土蔵造りの重厚な外環があります。また見世蔵1階の梁組み、2階和室10畳間のザクロの床柱と杉材の天井板、八畳間の床の間天井竿縁のねじれ加工や、2階縁側の近江八景の木彫の欄間などがあります。この伝統的商家建築物4棟は、(株)大徳 尾形家からの寄贈により土浦市が都市景観事業として整備したものです。   平成12年3月   土浦市
大徳 中城通り 土浦