三国街道道しるべ 北牧 渋川市 群馬県
北牧の高才に、横堀方面から来た道が左右に分岐する三差路に、この石仏の道しるべがある。高さ60cm、幅40cmばかりの本体が北向きに台石の上に据えられている。荒削りの舟形光背の中央に半肉彫りの仏体が浮き彫りになっている。仏の右に「右江戸道」と草書体で刻まれ、左には「明和三丙戌四月吉日同行八人」と拓本によってやっと判読できる。「右江戸道」とあるのは、鍛治谷戸へ下るこの細い道が高崎で中仙道と合して江戸へ通ずる三国街道であることを示している。越後から三国峠を越えてきた人達に横道にそれないよう江戸への一方向だけを指した珍しい道しるべである。建立は明和3年(1766)、今から230年ほど前であり、本村の道しるべの中で最古のものである。  平成13年6月  渋川市教育委員会