鍵屋 堤町 枚方市
鍵屋は、天正年間(1573〜1592)創業と伝えられ、江戸時代に大坂・伏見間を就航する客船「三十石船」の船宿として栄えました。「淀川三十石船唄」に「鍵屋浦には碇は要らぬ三味や太鼓で船止める」と謡われ、淀川筋ではよく知られた名所でありました。現在の鍵屋主屋は、19世紀初頭の建築とされ、枚方宿で街道と淀川が最も接近する堤町にあります。表玄関を街道に開き、裏口は淀川に接しており、船の乗降に最適な構造となっていました。鍵屋主屋は枚方宿の面影を留める貴重な建物として、屋敷地は枚方宿と淀川との密接な関わりを示す史跡として、枚方市指定文化財に指定されました。  1997年4月・2001年3月   枚方市教育委員会