仁王門 鵜飼山遠妙寺 市部 石和町 笛吹市 山梨県

遠妙寺は、日蓮宗身延五ヶ寺の一つで、本尊は十界曼荼羅である。本堂、庫裏、客殿、総門、仁王門、鐘楼、七面堂、漁翁堂、願生稲荷堂などの風格のある建物を有する寺である。弘安年中、日蓮の弟子、日朗が一宇を設け鵜飼堂と称し、後、慶長年間(1600頃)日遠が鵜飼山遠妙寺に改めた。寺記に、平時忠漂泊の郷が石和とされ、時忠は鵜使いを生業としたが、禁漁を犯し、簀巻きの刑に処せられて沈殺された。その怨念を持って石和川の鬼となった亡霊を、文永11年(1274)日蓮が石和川岩落にて済度し給うたと伝える。世阿弥の謡曲「鵜飼」とのかかわり深い寺である。なお鵜飼漁翁は、鵜飼勘作として知られている。寺宝に日蓮真筆本尊、鵜飼の経石7個などがある。仁王門は、三間一戸側面二間楼門重層入母屋造瓦葺で江戸末期のものである。再建は、寛政元年(1789)とあり未完成の部分が多く見られたが、平成16年の解体修理で完成した。以下略