律令時代国司が国内の大社六社を国府に勧請祭祀し、武蔵総社または六所社と称したのがこの大国魂神社である。本殿のうち中殿は大国魂大神、御霊大神、国内諸神、東殿は小野大神、小河大神、氷川大神、西殿は秩父大神、金佐奈大神、杉山大神を祀る。この本殿は四代将軍家綱の命によって寛文7年(1667)3月完成したもので、その後数回修理を行っているが、部分的に室町時代末期の様式をとどめ、江戸時代初期の神社建築として保存の価値がある。また特異な構造形式は遺例少なく珍しい。構造は9間社流造、向拝5間、銅板葺、3間社流造の社殿三棟を横に連絡した相殿造。 昭和52年11月3日 建設  東京都教育委員会
当神社は、大国魂神を武蔵の国魂と仰いで、鎮祭し祀った神社である。第12代景行天皇41年(111)5月5日大神の宣託によって創立せられ、武蔵国造が代々奉仕して祭務を司った。其の後孝徳天皇の御代に至り、大化の改新(645年)により武蔵の国府がこの地に置かれて、当社を国衙の斎場として、国司が祭祀を奉仕して国内の祭政を司った。国司が国内諸社の奉幣巡拝等の便により側に国内の諸神を配祀したので「武蔵総社」と称し、また両側に国内著明の神社六社を奉祀したので「六社明神」「六所宮」とも称された。鎌倉幕府以後徳川幕府に至るまで代々幕府の崇敬厚く、再三社殿を造営し、徳川幕府より社領500石を寄進せられた。明治18年より昭和21年迄官幣小社に列せられ、其の後宗教法人となる。  大国魂神社・府中市観光協会

大国魂神社 宮町3丁目 府中市