布多天神社 布田 調布市

布多天神社は、延長5年(927)の「延喜式神名帳」に載る古社で、式内多摩八座の一つです。調布の名称の発祥にまつわる話が伝えられています。境内で開かれる市の繁栄と商売繁盛を祈願して、氏子と商人が寛政8年(1796)に狛犬を建立しました。このことは約200年前から、すでに天神の市が開かれていたことをし示すものです。今も毎月25日には市がたちます。太閤秀吉の制札と狛犬は市指定文化財になっています。
桓武天皇延暦18(799)年木綿の実始めて渡りしなれど、いまだ布に製 することを知らず、其時多摩川辺に菅家の所縁にて、近國に名を顕はせし広福長 者といへるものあり、天神の社へ7昼夜参籠して、不思議に神の告を蒙り、布を 製するの術を得て、多摩川にさらして、これをととのへて奉りぬ、是乃本朝木綿 の初なりとかや、帝御感浅からず、即ち其布を調布(たつくり)とのたまへり、 それより此辺武州調布の里といへり     「布多天神縁起」  『新編武蔵風土記稿』