下頭橋 板橋
弥生町を縦断する道が旧川越街道で、大山町境から石神井川迄が上板橋宿跡である。宿端の石神井川に架かる下頭橋は、寛永10年(1798)近隣の村々の協力を得ることで石橋に架け替えられ、それまでひんぱつした水難事故も跡を絶ったという。この境内にある『他力善根供養』の石碑はその時に建てられたもの。 橋の名の由来については諸説がある。一つ目は、旅僧が地面に突き刺した榎の杖がやがて芽をふいて大木に成長したという逆榎がこの地にあったから。二つ目は、川越城主が江戸に出府の際、江戸屋敷の家臣がここまで来て頭を下げて出迎えたから。三つ目は、橋のたもとで旅人から喜捨を受けていた六蔵の金をもとに石橋が架け替えられたからというもので、六蔵祠はこの六蔵の道徳を讃えて建てられた。同橋と六蔵祠は昭和61年度の板橋区登録記念物(史跡)に認定された。   平成6年8月   板橋区教育委員会