甲塚古墳 平山崎 いわき市

甲塚古墳は、夏井川河口に近い平地につくられた墳丘直径37m・高さ8.2mの古墳です。これまでのところ、この古墳については、まだ考古学的な調査が行われていないので、古墳の形状や内部構造、つくられた年代などは明らかになっていませんが、甲塚古墳と立地条件などの類似する、いわき市内の古墳、例えば、金冠塚古墳(錦町)、五里内古墳(平荒川)などは横穴式石室をもち、それらは古墳時代後期の6世紀後半から7世紀前半ごろにつくられたものであると推定されており、このような点から甲塚古墳も、それらと同じ時期につくられたものではないかと考えられています。国道6号常磐バイパスの工事に伴う発掘調査によって、甲塚古墳の周辺の遺跡からは多くの古墳跡や建物跡などが出土しています。また、甲塚古墳の西南の丘陵の上には、延喜式内社大国魂神社が鎮座しており、かって密度の濃い歴史的な環境が育まれていたことを窺い知ることができます。  いわき市教育委員会