五浦は、五ツの浦が開けていることからその名が付けられました。明治39年には岡倉天心が日本美術院の本拠をここに移し、横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山らと創作活動を行いました。海に突き出た断崖上に見える赤い建物は天心が建てた六角堂であり、彼はここで太平洋を眺め、波の音を聞きながら、思索にふけったと言われております。六角堂周辺断崖に打ち寄せる波は、時にはやさしく、時にははげしく、その時々の自分の心をあらわしているように聞こえます。断崖に砕け散る波しぶき、小さな貝を運んでは引いていく波の音、松をわたる風の音、さまざまな自然の音のハーモニーをかもしだすこの地は平成8年度に環境庁より「残したい日本の音風景100選」として認定されました。又、この地は潮の干満による渚の変化が大変美しい事から、「日本の渚百選」としても認定を受けたところです。

五浦(いづら)海岸 大津町 北茨城市