小町石は、伝説上、平安時代の女流歌人、小野小町にゆかりをもつ名石である。 宮仕えを辞した小町が、諸国遍歴中に当地を訪れ、たまたまこの石に腰をかけて休息したという。。説には、小野小町の出所にして小野の地名の由る所、とも伝えられている。 この石は、占書によれば、元来、当地の薬師堂下にあったものだが、江戸中期より諸家の庭を転々とし、大正末期ごろ、現矢本町の大明王院(滝不動尊=同町願成寺所管)境内に奉納された。 小町石が故山を離れて二百数十年、その復帰は地域住民多年の願いであった。この度、住民の熱意と願成寺の好意により、その願いが叶えられた。ニ度とこの地を離れることのないよう、大切に保存していきたい。平成10年3月吉日 小町石の復帰と保存を図る会

歌碑 花のいろはうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに

小町石 小野 東松島市