安養寺・明星井 明和町上野 多気郡 三重県
 明 星 水
安養寺は永仁5年(1297)仏通禅師を開山として、創建され、諸山の一に列する等隆盛を極めた。室町時代の末期、北畠氏か滅ぶ頃当寺も衰退していったが、天正16年(1588)蒲生氏郷の参宮街道のつけかえと参宮者の激増したのに伴い、45世笠雲寂仙(1661)46世海門寂印(1680)により現在地に再建された。参宮街道を往来する参詣の衆に接して「如来清浄の禅に導き入れる」として門前に明星茶屋が造られ、湯茶の接待が行われた。安養寺の火を使った湯茶には清めの力があると明星が隆臨するといわれたこの井戸水は「明星水」(あけぼのの井)と呼ばれ、浄めの茶として参宮客が足を休めのどを潤したところで、日本三霊水の一つでもあると言われている。