本居宣長旧宅跡 魚町  松阪市 三重県
近世を代表する国学者本居宣長(1730〜1801)が、12歳から72歳で生涯を閉じるまでの60年間を過ごした場所である。宣長はここで医者を開業する傍ら、日本の古典を研究し、『古事記伝』や『源氏物語玉の小櫛』など78種206冊に及ぶ著述を成し、また全国500余名の門人を指導した。言わばこの地は、近世国学が大成された記念すべき場所である。 宜長の住んだ居宅は、明治42年に保存と公開のために松阪公園ヘ移築され、宜長の書斎の名前である 「鈴屋」の名称で今も親しまれている。現在、旧宅跡に礎石とともに残る家は、宣長の長男春庭の旧宅と本居家の土蔵である。 この二つの建物も昭和42年に特別史跡に指定され、往時の姿を今にとどめている。  平成16年9月14日  松阪市教育委員会