さる稚児桜 成就寺 垂水 津市 三重県
西行法師ゆかりの木   さる稚児桜
 昔、西行法師(218〜290)が、お伊勢参りの旅の途中、垂水の成就寺に立ち寄った。その境内で一人の子どもが遊んでいたが、西行法師の姿に気がつくと、何を思ったか、側の桜の木にスルスルと登り、高い枝に腰をかけた。余りに見事な木登りに西行法師は思わず、 「さるちごとみるより早く木にのぼり」と上の句を口ずさんだ。すると木の上の子どもが、 「犬のようなる法師来たれば」とすかさず下の句をつけて返した。歌人、西行法師と田舎の子どもの痛快なやりとりがあったこの桜は、その後 「さる稚児桜」と呼ばれ成就寺の名木となった。今は、孫の木になって、毎年見事な花を咲かせている。