「刻の軌跡」 白子1丁目 鈴鹿市 三重県
大黒屋光太夫船出の地を記念して
平成2・3両年度、運輸省港湾環境整備事業の一環として、白子港緑地帯の造成がなされた。 その白子港こそは、鎖国の世にロシアを見て近代の夜明けを呼吸した海の男、大黒星光太夫船出の地である。 天明2年(1782)12月、江戸への途次遠州灘で暴風雨に遭い、漂流・流浪すること10星霜、帰国への熱意は時の女帝を動かし、ついに露都ペテルブルグより故国に帰った史実は名作 『おろしや国酔夢譚』にくわしい。 ここに著者井上靖先生に請い「大黒屋光太夫・讃」の1編を得、郷土の彫刻家三村力氏の制作にかかるモニュメント「刻の軌跡」とともに、詩碑1基を建立した。 光太夫没後、1 6 0余年のことである。  平成3年12月9日   三 重 県  鈴鹿市