銅灯篭 専修寺 一身田町 津市 三重県
この銅燈籠は、辻越後守陳種の代表的な作品で、笠には8個の蕨手がのびやかにつけられ、笠の上には火焔の付いた宝珠がのせられている。基礎と中台は側面を8つに分けていて、基礎には唐獅子が浮彫りされている。全体的に釣り合いのとれた、どっしりとした重厚な風格を感じさせる燈籠である。 どちらも飯高郡名残町(松阪市新松ケ崎町)の小嶋覚兵衛慶次が3人の33回忌の供養のために寄進したもので、この3人の供養が終わった延宝7年(1679)ころに造られたものと考えられる。専修寺ではこの年の9月、御影堂の再建落慶法要をとり行っている。 作者の辻氏は津の釜屋町に住んでいた鋳物師で、このほかにも多くのすぐれた作品を残している。 津市教育委員会