万葉歌碑 水沢 伊香保町 渋川市 群馬県
           伊香保ろのやさかのゐでに立つ虹の   顕ろまでもさ寝をさ寝てば
やさかのゐでは橋本直香らの考証によればこの地に近い船尾滝より流下する滝沢川に設けた往古の堰提である。天保5年(1834)上野田村名主梅園森田四郎兵衛重信がその地に灌漑施設を造り後に明治用水となり現代まで恩恵を及ぼしている。  昭和58年8月 森田文夫奉納
万葉集巻第14東歌上野国歌
         
伊香保ろのやさかの堰堤(いで)に立つ 虹の顕ろまでもさ寝をさ寝てば
厳秀(榛名山)の八坂の堰提にあざやかな朝虹が立つ その虹のようにはっきりと二人の仲が知れてしまってもかまわない それまでも共寝をしたならばどんなによかろう さあ寝よう 寝ましょう
万葉集4500余首中ただ一つの虹の歌です。 8世紀に万葉集が編まれた時採られた民謡で、八坂の堰提に灌漑されたこの東南麓一帯の地当時の有馬郷の人々が折にふれて歌いはやしたものと思われます。 上古の農民の大らかな情感が伝わって来るではありませんか。  以下略   昭和58年(1983) 森田文夫奉納