法性寺 本町16丁目 東山区 京都市
大悲山一音院法性寺と号する浄土宗西山禅林寺派の寺である。当地は延長3年(924)、藤原忠平が公家恒例被行脚読経の寺として建立した寺院(旧法性寺)があった所である。旧法性寺は、創建後も藤原家の氏寺として栄え、藤原忠通の時には、広大な寺域に大伽藍を構え、京洛21ヶ寺の一刹に数えられていた。しかし、以後の兵火により、堂宇は悉く焼失してしまった。当寺は、明治維新以後、旧名を継いで再建されたもので、本堂に安置する千手観世音菩薩像(国宝)は、旧法性寺の潅頂堂の本尊と伝えられ、「厄除観世音」の名で知られている。  京都市