欣浄寺 (ごんじょうじ) 深草墨染町  伏見区 京都市
清涼山と号する曹洞宗の寺院である。寺伝によれば寛喜2年(1230)から天福元年(1233)まで道元禅師がこの地で教化に努め、当寺を創建したといわれている。当初、真言宗であったが応仁の乱(1467)後曹洞宗となり、天平文禄(1573〜92)の頃、僧告厭が中興し浄土宗に改められ、さらに文化年間(1804〜18)にもとの曹洞宗に改宗した。本堂には俗に「伏見の大仏」と呼ばれる丈六の毘廬遮那仏をはじめ、阿弥陀如来像、道元禅師石像などを安置している。
 また当地は昔深草少将の屋敷があったところと伝えられ、池の東の薮陰の道は「少将の通い道」と呼ばれ、訴訟のある者はこの道を通ると願いが叶わないといわれている。なお、
池の畔には少将と小野小町の塚と「墨染井」と呼ばれる井戸がある。 京都市  
通ふ深草百夜の情小町恋しの涙の水が今も涌きます欣浄寺