芭蕉句碑(五智国分寺) 五智3丁目 上越市 新潟県
         薬欄にいづれの花をくさ枕
 「薬園の草が秋で美しいが、どれを枕としてここに旅寝しようかと、主人への挨拶をこめて詠んだもの・」と解される。元禄2年(1689年)7月8日(旧暦)、高田の医師細川春庵を訪れた時の作句である。春庵は薬草を栽培し、庭は泉水その他美しい庭だったと言われている。松尾芭蕉は、正保元年(1644年)伊賀上野に生まれ、俳句の道を志し、20歳の頃に初めて俳書に掲載された。寛文12年(1672年)江戸へ出て創作活動を続け、元禄2年3月末、弟子の曽良を伴い奥の細道の旅に出ている。芭蕉は、旧暦7月2日新潟、3日弥彦、4日出雲崎、5日鉢崎(現柏崎市)を経て6日に今町(直江津)を訪れ、翌7日も滞在し、8日から10日まで高田で過ごしたようである。この句碑は、明和7年(1770)に建てられたものである。