奴奈川姫 大町2丁目 糸魚川市 新潟県
「古事記」や「出雲国風土記」には高志の国の沼河比売命(奴奈川姫)と出雲の国の八千矛神(大国主命)とのラブロマンス(通婚神話)がよまれており、その奴奈川姫は「沼川郷」なる古地名や、姫を祭る神社の所在などからこの地方の女神とされています。また、この地方では今より4,5千年前の縄文時代から、姫川より流れ出たヒスイを巧みに加工し、弥生・古墳時代には優美な勾玉を盛んに生産していました。そのようなことから通婚神話は、富と力の象徴であるヒスイの勾玉を作るこの地方と、それを求めた出雲との関係を物語っているようです。この奴奈川姫とその子建御名方命は、夕日の向こう遠く離れた出雲に思いをはせながら、旅人を迎えているのです。