芭蕉句碑・仁王門 椎谷 柏崎市 新潟県


くたびれて宿かるころや藤の花
芭蕉が奥の細道の行脚に出る前年、元禄元年(1688)大和行脚での吟。一日中歩き疲れ、丹羽市(奈良県天理市)を経て八木付近に来て宿をとろうとした頃、ふと見ると、夕暮れの中に薄紫の藤の花が咲いている。その藤の美しさが心をいやし、何かしらほつとした気持にさせてくれたのを詠んだといわれている。 この句碑は、江戸の俳人巣也が、文政4年(1820)俳諧行脚でこの地に来て滞在中、この椎谷観音堂で咲く藤の花を見て、土地の俳人武田岡右ェ門とこの句を選んで建立したもの。