北海道庁旧本庁舎 北3条西6丁目 中央区 札幌市 北海道
四季折々に赤く映え、美しい姿を見せている北海道庁旧本庁舎は、"赤れんが”の愛称で広く道民に親しまれています。赤れんが庁舎が産声を上げたのは、明治21年(1888)。この設計は、道庁の技師が担当し、アメリカ風ネオ・バロック様式のれんが造りで、建築資材の多くは、道産品を使用しました。当時は鹿鳴館と並ぶ国内有数の大建築物でした。以来、新庁舎完成までの80年にわたり、北海道の拠点、道政の中枢としての役割を果たしてきました。建物の頂きにそびえる八角塔は、当時、アメリカで独立と進取のシンボルとしてドームを乗せる建築様式が流行していたため設置されたといわれています。 赤れんが庁舎は、明治42年(1909)の火災で内部及び屋根を消失しましたが、幸いなことに、れんがの壁だけはほとんど無傷で残ったため、翌年には復旧工事に取り掛かり、同44年(1911)に再建されました。その後、昭和43年(1968)に北海道百年を記念して、創建当時の姿に復元し、永久に保存することとなりました。今日、これほどの優れた明治時代の洋風建築物は国内でも数少なく、翌44年(1969)3月、国の重要文化財に指定されました。