三方原救貧院跡 三方原町 浜松市北区 静岡県
明治の初年は政情も不安であり、失業士族も多く、庶民の生活は恵まれずどこの村にも生活困窮社が多くでた。気賀林は、こうした人達を救うため、明治10年この場所に「三方原救貧院」を創設した。これは今から110余年前のことで、福祉事業の先駆をなすものである。この救貧院の建物は間口8間、奥行3間半木像平屋建て、瓦葺きで、姫街道に面して建てられ、常時4家族ほどを収容し、米麦、味噌、醤油、薪炭等現物支給の方法で貧困者を救助した。村人はこの救貧院のことを「救民」とか「救役所」と呼んだ。明治16年、気賀林の没後は横田保に受けつがれ、明治35年ごろまで続けられた。建物は既に移築されて、現存しない。  三方原歴史文化保存会