芭蕉宿泊の地 二ノ構  岩出山 大崎市 宮城県
おくのほそ道と岩出山
松尾芭蕉は、元禄2年(1689)3月27日(旧暦)に江戸を出発し、歌枕を訪ねる旅に向いま
した。一ケ月余りで現在の宮城県に入り、仙台、松島などを経て、現在の岩手県、一関、平泉に至りました。5月14日、一関を立って南下した芭蕉は、その日、ここ岩出山に宿泊し「おくのほそ道」に「南部道はるかにみやりて、岩手の里に泊る」と書き残しています。 この時、芭蕉が通ったと思われる古道が、岩出山町真山地区に残っており、現在は「国指定史跡陸奥上街道」として整備され、いにしえを偲ぶことができます。 芭蕉に同行した門人、曾良の日記によると、14日のうちに小黒ヶ崎、美豆の小島(岩出山町と鳴子町の境)を見ようと足を進めましたが、二里(約8km)ほど先であるため、岩出山に戻り宿泊し、翌15日に訪れたことがわかります。 当時の岩出山の様子については「岩手山。やしきも町も平地。上の山は政宗の初の居城なり。杉茂り、東の方、大川なり。玉造川という。岩山なり。」と記しています。 なお、芭蕉が宿泊したのは石崎屋という旅篭で、現在の岩出山交番所付近にあったといわれています。