国指定史跡  指定年月日 平成18年7月28日
 この遺跡は、朝明川と海蔵川とに挟まれた丘陵の東先端部に位置しています。奈良時代を中心とした掘立柱建物などが多く見つかり、古代の官衙遺跡であると考えられます。官衙とは、一般に役所や官庁のことを言います。 この遺跡では政務を執り行った官衙の中枢施設である政庁や、租税として集めた米などを保管した正倉院、その他の関連施設などが確認されています。 これらの施設群は、時期と場所を変えて存在していますが、一体で見つかったことは全国的にも珍しいことです。  この地は、古代には伊勢国朝明郡に属しており、見つかった施設群は郡の役所(郡衙)とも考えられます。また、朝明郡は「日本書紀」「続日本書記」などの歴史書にも登場しており、壬申の乱(672年)や聖武天皇東国行幸(740年)との関係も注目されています。 四日市市では、この久留倍官衙遺跡の歴史的文化遺産としての保存と、憩いの場、学習の場としての史跡整備を計画しています。 平成19年  四日市市教育委員会
久留倍官衙遺跡 大矢知町 四日市市 三重県