茜さす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖ふる 額田王 
紫草(むらさき)の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に われ恋めやも 皇太子

この歌は天智天皇7年、蒲生野遊猟の時にかわされ、万葉集巻1に納められた有名な歌です。当時の皇太子は天智天皇の子の大友皇子であるとする説もありますが、日本書紀には皇大弟とあるため、多くは大海人皇子(のちの天武天皇)とされています。額田王は、大海人皇子との間に十市皇女(とおちのひめみこ)をもうけましたが、その後天智天皇の寵愛を受けるようになります。十市皇女は大友皇子の妻となっています。『蒲生野』がどこかについては定かではありませんが、安土町内野、八日市市野口町・三津屋町・市辺町に「蒲生野」「蒲生野口」「小蒲生野」などの小字名が残ることから、この地域を見下ろす丘陵地であるこの船岡山に万葉歌碑が建立されました。  八日市市教育委員会 八日市市指定文化財 船岡山  昭和46年5月20日指定
 万葉歌碑 船岡山 内野 安土町 蒲生郡