仏性山法善寺(芭蕉句碑) 本塩1 市川市 千葉県
本寺は慶長5年(1600)宗玄和尚の開基と伝える浄土真宗の寺院です。(中略)かれ(宗玄和尚、俗名河本弥左衛門)は当時、この辺りが海岸に面しており、荒地が広がっていたところから、土地の開発をはじめ、特に海岸には塩田をつくって製塩の方法を村人たちに教えたといいます。この法善寺が俗に「塩場寺」と呼ばれているのは、このことからです。本堂前にある松尾芭蕉の 「うたがふな潮の華(はな)も浦の春 」と刻した句碑は「塩塚」とよばれていますが、この句は芭蕉が伊勢国の二見ヶ浦で詠んだものを、寛政9年(1797)芭蕉の百回忌(芭蕉百回忌は正確には寛政6年です)を記念して、行徳の俳人戸田麦丈等によって建てられたものです。法善寺の本堂は、かって三重の茅葺屋根をもった壮大なものであったといわれますが、明治14年(1881)4月、火災によって寺の記録や宝物など、すべてが焼失してしまいました。 昭和55年3月  市川市教育委員会

行徳の海浜   江戸名所図会より