猿沢大満虚空蔵尊の創建は天平2年(730)、行基が北国巡錫でこの地を訪れたの際住民の苦難を救う為、虚空蔵菩薩像を自ら彫り込み岩窟に祭ったのが始まりと伝えられています。その後、保元2年(1157)に雲上佐一郎(後白河天皇第3皇子)がこの地に下向の際、山頂に御堂を建立し虚空蔵菩薩像を安置し奥の院となりました。元和4年(1618)には村上城主堀直寄から信仰され、女人禁制だったことから山裾である現在地に拝殿を建立し遥拝所としました。現在の拝殿(入母屋、銅板葺、平入、桁行4間、梁間4間、正面1間唐破風向拝付、向拝欄間には竜虎、懸魚には鳳凰、木鼻には獅子、象の彫刻が施されています。)は弘化2年(1845)焼失し同4年に再建したもので内部には右に雲上佐一郎公を祀り、左に35仏を配し、本尊である虚空蔵菩薩像は秘仏として12年に1度開帳されます。猿沢大満虚空蔵尊は霊岩山圓蔵寺 (福島県柳津町) 、村松山日高寺(茨城県東海村)、千光山清澄寺(千葉県鴨川市)、朝熊山金剛證寺(三重県明和町)、智福山法輪寺(京都府京都市)、福一満虚空蔵菩薩(青森県八戸市)、当目山香集寺(静岡県焼津市)、金生山明星輪寺(岐阜県大垣市)などと共に日本三大虚空蔵尊の1つに数えられています。
大満虚空蔵尊 猿沢 村上市 新潟県