黄金井戸・竹岡のヒカリモ 荻生 富津市 千葉県
ヒカリモは黄金藻類に属する単細胞の藻です。細胞内に赤黄色の色素をもつとともにお碗形の色素体を含んでいて、それが洞穴内に入ってくる光を反射させます。特に菜の花の咲くころ水面に多数浮遊するため、水が黄金色に輝いて見えます。ここの洞穴は高さ3m奥行5m幅3mほどの大きさですが、いつも水がたまっており、周りの環境や水温などがヒカリモの発生に適しているようです。ヒカリモ自体は全国各地に見られますが、毎年同じ所に定期的に多量に発生する例はごくまれで、ここはその典型的な例ですし又わが国で最初のヒカリモ発見地としての意義もあり、天然記念物指定基準「池泉等の珍奇な微生物の主ずる地域」に該当し指定されました。 古くから土地の人は「黄金井戸」と呼んで洞穴に弁財天を祀って大切に保護してきました。このように学術的に貴重な場所ですから洞穴内を汚さないよう充分注意して下さい。  昭和59年5月  文部省 千葉県教育委員会 富津市教育委員会