北条陣屋跡 北条 館山市 千葉県

寛永15年(1638)、駿河大納言徳川忠長の家老だった屋代忠正が、安房国で一万石を領して北条藩を立て、北条の仲町に陣屋を築いた。現在の館山消防署・北条病院・館山警察署のあるところで、中世には北条城があったといわれる。その後享保10年(1725)信濃から水野忠定が一万二千石で入封し、新たに北条藩を起こし陣屋とした。文政8年には水野忠韶が若年寄としての功績によって城主格に列せられ、陣屋を北条城と称した。文久元年(1861)になると近江国三上藩の遠藤氏が、明治元年(1868)まで安房国内の飛地支配のための役所として利用、その後明治になって安房郡役所・警察署・議事堂・北条町役場・北条病院などの官公署が建ち並び、現在の官庁街へと発展してきた。