村上屋の念珠の松 鼠ヶ関 鶴岡市 山形県
このクロマツは、元村上屋旅館の庭にあり、臥龍松の一型である。枝はすべて葡匐幹の上方にだけ生じ、いずれもねじれており、その太さも大体同様で異様な形をしている。成長の過程で相当庭師の手が入っている。主幹は高さ4.2m、目通り幹囲1.2mで、東北方と西南方に出る支幹は一直線をなし、東北方に伸びている枝の基部周囲は1.3mで本幹よりも発育し、7mほど地を這いそれから斜上して高さ3mの支柱で支えられ、全長は20mにおよび切りとめられている。また、西南方に伸びる枝は、高さ1.5mのところから分岐し、ほぼ水平に伸び約7mのところで切りとめられている。この松は他の臥龍松のように葡匐幹が屈曲しないで直線状で僅かに斜上しているところに特色がある。昭和30年8月1日に山形県の天然記念物に指定された。平成6年3月25日    山形県教育委員会 鶴岡市教育委員会