伝法院 浅草
伝法院は浅草寺の院号であったが、いつの間にか住職の居住する本坊の称号に用いられている。諸建物のうち、客殿.玄関.使者の間.大台所の一部は、安永6年(1777)の建物である。大名屋敷を思わせる立派な門構えで、玄関上の瓦には菊の御紋が入っている。上野の宮さまが浅草御殿とされて、約3年間宿坊とされたので、一般には使用禁止の紋章が使われているのである。建物の背後には、大泉池を中心とする廻遊式庭園があり江戸時代初期の築造で、庭造りの名人といわれた小堀遠州作と言われる。