概要: 野路岡田遺跡は、JR南草津駅の西側に広がる遺跡で、延べ30.6haの広さを持っています。遺跡からは、主に縄文〜鎌倉時代までの、様々な遺構や数多くの遺物が見つかっています。野路岡田遺跡は、「吾妻鏡」・「玉葉」といった鎌倉時代の記録や「源平盛衰記」といった軍記物に記されている平安時代から鎌倉時代の宿駅「野路宿」の有力な候補遺跡です。 発掘調査前の野路岡田遺跡の状況: 遺跡のほぼ全域が農地であった。遺跡の北辺には、東西方向に延びる通称、「馬道」と呼ばれる古道が、現存していました。 今回の発掘調査の大きな成果: ・ 今回の発掘調査は、平成12年度〜平成15度までの4ヵ年間で延べ8.7haの土地を調査し、遺跡の大部分を広く調査することとなりました。 ・ 調査では、大きく3つの調査成果を得ることができました。 @当地には5世紀中頃〜6世紀初頭頃、埴輪を並べる古墳(方墳)が築かれていたことが判明したこと。 A遺跡の中央部に、東西に延びる大きな道路跡が見つかり、古代の官道「東山道」の一部である可能性が高まったこと。 B遺跡内を東西に横切る「馬道」に沿って、12世紀末〜13世紀中頃の建物が直線的に並び建つ状況が確認されたことから、中世の宿駅「野路宿」の可能性が一段と高まったこと。 |