神島漁港 神島 鳥羽市 三重県
三島由紀夫(1925=〜1970)
学習院高等科を経て東京大学法学部へと進んだ三島由紀夫は、在学中に『花ざかりの森』を出版、昭和23年にはそれまで勤めていた大蔵省を退職し、文筆活動に専念しました。作家の地位を確かなものにした『仮面の告白』を始め、昭和45年に自決するまでに、『潮騒』『金閣寺』などの名作を著し続けました。また、戯曲やエッセイなど多彩な活動も行いました。神島へは『潮騒』の取材のために二度訪れ、島の美しい風景を舞台に、漁師の新治と海女の初江が繰り広げる恋物語を書き上げました。昭和28年、三島由紀夫が川端康成に宛てた手紙の中に「神島という伊勢湾の湾□に扼する一孤島に来ております。(略)小説を書く準備に、調査に来てゐるのです(略)『よごれた』ものは何もありません。この僕まで忽ち浄化されて、毎朝六時半に起きている始末です。ここには本当の人間の生活がありそうです。」と書いております。