稲田寺 1丁目 下田市 静岡県 
 稲田寺浄土宗  文正元年(1466)法蓮社本誉創立
山門を入って右側の阿弥陀堂に平安時代後期の阿弥陀如来坐像(下田市指定文化財)が安置されている。大浦にあった稲田寺末庵の西向院から移された客仏である。檜材の寄木造りで、像高は208cmの南伊豆には例をみない大像である。近世の補修もみられるが、丸顔の穏やかな面相やゆるやかな肉どりは定朝様式の典型的な作風を示している。後世の作と思われる観音・勢至菩薩を両脇に従え、三尊形式をつくっている。 幕末開港時には、ロシア使節プチャーチンとの交渉に当たった応接掛川路聖謨の宿舎となり、その後下田奉行伊沢美作守が宿舎とし、安政の東海地震・津浪(1854)後ここ稲田寺は仮奉行所ともなった。なお、山門を入って左側には、安政の東海地震(1854)後の大津波で犠牲となった人達を供養する
津なみ塚が建立されている。また、お吉の夫となった川井又五郎(幼名鶴松)の墓もみられる。 下田市