旧下田街道 小鍋 河津町 賀茂郡 静岡県
下田街道
 下田街道は、三嶋神社の大鳥居を起点に北条・大仁・湯ケ島を通り、天城峠を越えて梨本に至り、さらに小鍋峠を越え、箕作・河内を経て下田に通じる17里14町余(約70km)の道である。 江戸時代には下田路と呼ぱれ、口伊豆(北伊豆)と奥伊豆(南伊豆)とを結ぶ幹線道路であった。

小鍋峠   賀茂郡河津町小鍋〜下田市八木山
 河津町と下田市の境にあり、下田街道で天城と並ぶ難所の峠である。 寛政5(1793)年には、老中松平定信による伊豆巡検が行われ、一行250名が小鍋峠を越えた。勘定奉行川路聖謨は、使節プチャーチンとの交渉を終えて江戸への帰途、安政2年(1856)年4月23日の頃で「下田より梨本五里のところ一里の小鍋峠あり」と「下田日記」に記している。下田の玉泉寺に米国総領事館を開いた初代駐日総領事タウンゼント・ハリスは、安政4(1858)年小鍋峠の遺をたどって江戸城へと赴いた。