伊砂砂神社 渋川1丁目 草津市 滋賀県
一間社流造、檜皮葺  室町時代
 伊砂砂神社の草創は明らかでないが、名称は明治2年からのもので、古くは天大将軍社と称された。建物は棟札により応仁2年(1468)に建立され、元禄4年(1691)に修理を受けていることがわかる。軸部は当初材を良く残こしているが、軒廻りや縁、高欄、脇障子などの造作材は、大正時代の修理によるものである。 小規模な一間社であるが、母屋は内部を内外陣の二室に区画し、正面に向拝を付ける。組物は三斗組、妻飾りは猪扠首組として、母屋には三方に縁、高欄を巡らし、脇障子が取り付く。 この本殿は建立年代が明確で、木割が細く、正面の建具を吹寄せ格子戸とするなど軽快な建物で、室町時代後期の本殿建築を知るうえで貴重である。 平成6年3月  滋賀県教育委員会