一類孤魂等衆の碑 醒井 米原市 滋賀県 
江戸時代後期のある日、東の見附の石垣にもたれて、一人の旅の老人が、「母親の乳がのみたい・・・」とつぶやいていた。人々は相手にしなかったが、乳飲み子を抱いた一人の母親が気の毒に思い「私の乳でよかったら」と自分の乳房をふくませてやりました。老人は、ニ口三口おいしそうに飲むと、目に涙を浮かべ「有難うございました、本当の母親に会えたような気がします。懐に70両の金があるので、貴女に差し上げます」と言い終わると、母親に抱かれて眠る子のように、安らかに往生をとげました。この母親は、お金は頂くことは出来ないと、老人が埋葬された墓地の傍らに、「一類孤魂等衆」の碑を建て、供養したと伝えられています。