犬塚(天満宮) 平方町 長浜市 滋賀県
天満宮と犬塚の由来
・この天満宮の祭神は菅原道真公。当宮社は元、「目検枷(めたてがい)」と云う名犬を祀り犬上(神)明神と称せしを加賀藩主、前田候が通行の際、藩主の奨めにより天満宮と改め社殿北側に犬塚として祭神を祀り今日に及んでいる。
・昔此所に目検枷と云う名誉奇特な犬がいた。
・当時は毎年附近の村から湖上の祭神に人神御供として一人ずつ娘を差し出す習わしがあった。
・ある年のこと村に豪気な男がいて何者が人神御供を求めるのかと、ひそかに正体を見極めたところ、『メッキに言うなよ。平方のメッキに言うなよ」とブツブツつぶやきながら得体の知れぬ怪物が湖岸の水面から現われました。
・男はメッキとは何かと尋ねたところ野瀬の長者の愛犬「目検枷」のことであった。
・翌年人身御供のとき男が借り受けた名犬「目検枷」と怪物は大格闘の末、目検枷の噛みついた幾つもの歯痕を残し怪物はとうとう倒れてしまいました。
・しかし目検枷も大きな傷を受け必死の戦いに精根つき息をひきとりました。
・村人はひどく感激し長くその霊を慰めるため犬塚をたて祀りました。
・今なお目検枷の鋭い牙にあやかり度いと墓である石塚に触れた手で歯の痛むところを撫るとその痛みが止まると言われている。