くいな塚 佐屋町宅地  愛西市 愛知県
水鶏塚由来記  元禄7年5月芭蕉翁が江戸から故郷伊賀の国へ帰る途中、佐屋御殿番役の山田庄左衛門氏の亭で泊まられた。そのあたりは非常に閑静な幽地で昼さえ薮のほとりで木の間がくれに水鶏(くいな)が鳴いた。翁がこられたと聞いて遠方からも俳人集り千載不易の高吟が続いた。そのときうたわれた初の句が、
   
水鶏鳴と 人の云えばや 佐屋泊    はせを
である。翁逝って四十余年後さきに坐を共にした人達により、翁がうたったこの現地でそのときうたった句を石にきざみこの碑がたてられた。とき正に享保20年5月12日のことである。
 昭和35年大字佐屋故黒宮庸氏の御遺志によってこの水鶏塚(土地共)は黒宮家から佐屋町へ寄贈された。(昭和60年3月26日 佐屋町文化財指定)
 佐屋町教育委員会