早乙女坂 久米 周南市 山口県

街道を通る旅人と地元民とにかかわる風習の違いから悲しい事件が起こりました。当時は、田植えの時期、側を通行する人に”早苗打ち”といって、稲の苗を投げつけ、御祝儀をいただくという風習がありました。ある日(年代不詳)、九州からの飛脚が通りかかった時、早乙女の一人が手に持っていた早苗を投げ付けたところ、飛脚は無礼と激怒して、早乙女を刺し殺して、その場を立ち去りました。近所の人たちは、殺された早乙女を哀れみ、この場所(久米ヶ瀬戸)に塚を建てて、松を植え懇ろに弔い、供養をしました。昭和11年にこの前方早乙女の碑が建てられましたが、現在は遠石千日寺の境内に移されています。  平成15年3月  遠石地区コミュニティ推進協議会