千体仏 古宿 柱野 岩国市 山口県
千体仏は昔から信仰の対象物であって、信者が寺に詣でて法要仏事を営む際、お堂の中にある千体仏の中から亡き人の顔に似た仏像を選び、これを本堂に移した後、位牌とともに仏壇に飾って読経を乞い、帰りに再び元の位置に納めて退出したと伝えられている。 千体仏は江戸中期の作で、最初は1000体あったものと思われるが、水害その他の事情によって795体が現存し、保存状態は概ね良好である。民間信仰の形態としては他に類を多く見ないものであり、貴重な資料となっている。  平成9年5月  岩国市教育委員会