林芙美子碑 東久保町 尾道市 広島県
巷にくれば憩いあり   人間みな吾を慰めて    煩悩滅除を歌ふなり

        羽ばたきの庭

尾道東高校百周年を寿ぎ、尾道市立高等女学校、広島県立尾道高等女学校、広島県立尾道東高等学校のゆかりのはらからは、母校のさらなる飛躍を願って、とこしえに愛される空間とした。誇るべき同窓の一人である林芙美子の石碑により、私どもの思いを具現した。 芙美子の碑ははるかに鶴湾の輝きを望み、彼女をはぐくんだ巷に向いている。さらに、碑の周辺には彼女が他界した水無月の花木が彩りを添えている。 校門の門扉には東高のシンボル鶴をあしらい、両脇の濃い緑の門柱は優しく母校を見守る瑠璃山(浄土寺山)、愛岩山(西国寺山)を彷彿とさせる。 また、頼山陽の筆になる「為往来安全」燈龍は、人生の行く手の幸を表象するが如くである。 朝夕目にする在校生はもとより、懐かしさに立ち寄る同窓生も、芙美子にひかれ訪れた人々も、日常から解き放たれたこの空間に心をあずけて、未来に羽ばたく心を培うことを祈念するものである。 平成二十一年十月三日 広島県立尾道教高等学校  創立百周年記念事業実行委員会