国指定史蹟 惣爪塔跡(石の釜) 惣爪 岡山市北区 岡山県
古来「石の釜」と呼ばれている。塔の中心柱の礎石(心礎)である。長径2m、短径1.5mで、上部に直径16cmの円孔をうがち、さらに、その底に子孔があり、仏舎利を納めてあったものであろう。奈良時代前期、この礎石の上に建っていた塔のほか、金堂・講堂などの建物がならび、一大伽藍が営まれていたことが想定される。しかし、塔以外の建物の礎石や基壇の痕跡は、周囲の水田の地下げのため、現在は確認する事が出来ない。 この寺は、「津の臣」の氏寺であったともいわれている。なお、付近一帯は弥生時代の集落跡でもあり、水田の下から貝層や土器その他の遺物が発見されている。 平成14年2月  岡山市教育委員会